スペイン旅行(27)

※スペイン旅行(27)-2004.4.9-

スペインを宗教的に区分すると、12の大司教区に分か
れるが、ドレドはこの12区の首位で、古い記録によれ
ば、アルフォンソ6世がこの街を征服して間もない1088
年に、ローマ教皇からこの地位を獲得したという。

大聖堂・トレドは1226年、聖王フェルナンド3世の時代
に建立が始められた。 完成は、何と250年以上経っ
た1493年である。 ヨーロッパの大聖堂は、何れも何
百年という、気の遠くなるような歳月をかけて建立され
ており、一方では、それより大きな城が30年足らずで
出来上がることもある。 これは、聖堂建築が、主とし
て信者の寄付金によるためだろう。

1493年に建物が完成されてから19世紀に至るまで
のほぼ400年間に、無数の増改築工事が行われて
いるので、ゴッシクからルネッサンス-バロック-ネオ
クラシック、そしてムデハル(イスラム系)といった様式
まで目にすることが出来る。

さて、大聖堂内が、目を奪うような素晴らしさであるこ
とは、言うまでも無いが、残念ながら撮影は禁止であ
る。 特に目を惹くのは、大礼拝堂にある「ゴシック様
式の祭壇屏」である。 1497~1504年にかけて、
当時一流の彫刻師たちの共作で、木彫りに彩色し、
金を施したものである。 イエス・キリストの生涯の各
場面があらわされており、下から見上げた場合を考
慮して、上部になるほど大きく彫られている。

なお、大聖具室には、スペイン屈指の美術品が集め
られている。 中でも、エル・グレコの傑作『略奪』が
圧巻である。 1581年の作とされている。

次いで、同じくグレコの最高傑作とされている、『オル
ガス伯の埋葬』を所蔵している、サント・トメ教会へ向
かう。 狭い道を通って、やがて、小広場に出る。黄色
いポストが目に付く。

教会の入り口は、すでに長蛇の列で、とにかく、最後
尾につく。 

ギリシャ出身の画家エル・グレコ(1541~1614年)
が、スペインに来てから約10年経った1586年頃の
作品で、彼の代表作とされている。 絵画は大変大き
く、約4m x 5mもあり、アーチ型をしている。 オル
ガス伯が埋葬される最後の儀式が描かれている。絵
画の構成が上下に分かれ、天上の世界では、今まさ
に死者を迎えようとしている。 地上では、聖職者に
抱えられ、地下に埋葬されようとする伯爵が描かれて
いる。

圧倒される思いを懐いて、教会の外に出る。 再び、
細い路地を通ってタホ川沿いに出る。 サン・マルティ
ン橋の手前に、若木であるが「八重桜」が咲いていた
のには驚いた。 橋を渡って、待機中のバスに乗車し、
マドリッドへの帰途につく。

大聖堂内・トレド(パンフレットを複写)

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同上、大礼拝堂の祭壇屏(パンフレットを複写)

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同上内、『略奪』・エル・グレコ(パンフレットを複写)

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サント・トメ教会へ

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教会前の小広場

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同上、黄色いポスト

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サント・トメ教会入り口

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追加画像は下記をクリックして下さい

サント・トメ教会内・『オルガス伯の埋葬』・グレゴ(パンフレットを複写)へジャンプ






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